スパイファミリーのブランツ外相の正体は何者?モデルや時代背景も解説!

アニメ・スパイファミリー(SPY×FAMILY)2期の最初に登場するブランツ外相
原作4巻ではロイドによって衣服を奪われパンツ一丁になってしまうちょっお微笑ましいシーンも。

ブランツ外相の登場シーンはそこまで多くはありません。
ですが、原作9巻にもその名前が登場するなど、今後も出てきそうなキャラクターではあります。

今回は、そんなブランツ外相について、モデルとなった実在の人物や、作品の時代背景も含め考察してみました。

スパイファミリーのブランツ外相は何者なのか?

正体:西国の外相・政治家

ブランツは西国(ウェストリス)の外相です。

原作3巻(12話)でその姿が初めて登場します。

この時は、東国のウィンザー外相と国交正常化に向けた会談が開かれたというニュースがTV報じられたシーンが描かれたのみに留まっています。

彼が本格的に登場するのは原作4巻。

東国(オスタニア)との首脳会談に向けた調整を行うため、バーリントへ向かうシーンで出てきます。

ブランツはこの時、バーリント大学の学生で、西国と東国の戦争を勃発させようとするテロ組織のリーダー・キース・ケプラーによる暗殺計画の標的になってしまいます。

この時、ブランツはフォージャー家の活躍によって難を逃れ、東国政府との交渉で一定の成果をあげた旨が記されています。

※参照:スパイファミリーのテロリストやキースケプラーの目的は?声優や時代背景も解説

この時、ロイドはキース・ケプラーを錯乱するためにブランツに変装するのですが、ブランツはロイドによって衣服を奪われてパンツ一丁になってしまいます。

このシーンは21話で描かれてるのですが、アニメでは放送されるかちょっと気になりますね笑

怒ったブランツは、ロイドの上司であるWISE(西国情報局対東課)の管理官(ハンドラー)であるシルヴィア・シャーウッドに電話で抗議してます。

シルヴィアの立ち位置が諜報員たちのまとめ役である事を考えると、ブランツは諜報機関の有力者に直接電話で話ができる立ち位置にあるとも言えます。

ブランツは、外交以外の分野でも様々な経験を積んでいそうな気がしますね。

ブランツ外相はイチゴが好き!?

また、ブランツは60話(原作9巻に収録)の冒頭に名前が登場し、果物のイチゴが好きである事が明かされています。

ここでは東国の経済委員会の幹部であるセルゲイ・オストスキーが、西国へのイチゴの輸出量を制限したことが明かされています。
そして、ブランツの誕生日ケーキにイチゴが乗っておらず彼が激怒した…とシルヴィアが述べています。

また、フィオナ(夜帷)によってブランツには息子がいる事も明かされてます。

2022年9月現在、ブランツが登場するのはこうしたシーンのみです。
彼の政治家としての立ち位置はそれなりに強そうですので、今後も登場しそうな気がしますね。

ブランツ外相のモデル:西ドイツのブラント氏

外相として西国と東国の融和に努めているブランツ。
そんな彼ですが、実在の人物がモデルになっていると一部のファンから言われています。

その人物とはヴィリー・ブラント氏。

1966年に西ドイツの外相に就任し、東ドイツとの関係改善に尽力した人物です。

ブラント氏はその3年後に西ドイツの首相に就任。1971年には東ドイツや東欧諸国との外交が評価され、ノーベル平和賞も受賞しています。

しかし、1974年に自身の秘書が東ドイツが送り込んだスパイだと発覚。その責任を取って首相を辞任しています。

この2人は西側の政治家で、東側の国との関係改善に力を尽くした点が共通しています。
名前も非常に似てますね。

2人が活躍した時期もそっくりです。

ブラント氏が活躍したのは1960年〜70年代前半。
一方、スパイファミリー(SPY×FAMILY)の時代背景については作者の遠藤先生が「1960年〜70年代の架空の国」と言及しています。

これらの点から、ブランツ外相のヒントはブラント氏にあるのでは…と考えられます。

しかしブラント氏の辞任理由がスパイとは…

ブランツ外相にスパイが放たれる話がいずれ出てくるかもしれませんね。

ブランツ外相から見る時代背景とは?

ブランツ外相から見たスパイファミリーの時代背景について見ていきましょう。

スパイファミリー(SPY×FAMILY)の舞台設定として、西国と東国が対立しているという構図があります。

この点は、1960〜70年代の西ドイツと東ドイツの関係を思わせると言えます。

遠藤先生が「ドイツをモデルにしている」と直接言及した訳ではありません。

ただし、スパイファミリーの時代背景は上記のブラント氏の事例を含め、この時期のドイツに大きな影響を受けていると、少なくない数の読者が考えているようです。

この時期のドイツの動向と、スパイファミリーの舞台設定についてもう少し詳しく見ていきましょう。

「鉄のカーテン」とベルリンの壁


スパイファミリーの原作12話(3巻)では、「東西の間に鉄のカーテンが下ろされてから十余年」という説明がありました。

鉄のカーテン」という言葉は、1946年にイギリスの首相・チャーチルの以下の発言が由来していると考えられています。

バルト海のシュテッティンからアドリア海のトリエステまで、ヨーロッパ大陸を横切る鉄のカーテンが降ろされた

シュテッティンはポーランド西側の都市で、ドイツと極めて近い位置にあります。
トリエステはイタリアの北東部にある都市で、こちらも冷戦で東側諸国であったスロベニアと国境に位置しています。

また、1961年には現在のドイツの首都であるベルリンにベルリンの壁が建設されています。

当時のベルリンは、スパイファミリーの東国と西国のモデルになったと考えられる東ドイツと西ドイツが分割して治めていました。

こうした東西ドイツの分裂は、スパイファミリーの時代背景に大きな影響を与えていると考えられます。

※参照:スパイファミリーの世界・舞台はどこの国?冷戦時の東ドイツがモデル?

2022年9月現在、スパイファミリーの作中では東国と西国以外の第3国は、名前が語られる事はあるものの大々的には登場していません。

そのため、スパイファミリーにおける「鉄のカーテン」は、東国と西国の国境線を表していると考えた方が良さそうです。
ベルリンの壁がモデルになったと考える方がいいかもしれません。

ドノバンのモデルはヒトラーなのか?

作中でラスボスではないか?と言われる国家統一党の総裁ドノバン・デズモンドですが、一部ではナチス・ドイツの指導者であるヒトラーがモデルではないかと言われています。

一方で、ヒトラーとは異なる点も多数あり、この点がドノバンというキャラクターを掴みにくくしていると言えます。

ドノバン・デズモンド率いる国家統一党は、10年前の戦時中には政権を握っていたもの現在は野党となり、一定の影響力を保持していると考えられます。

一方のナチス・ドイツは第二次世界大戦後に解党しており、その残存勢力が戦後ドイツの歴史、政治に与えた影響はほぼありません。

また、ドノバンには妻のメリンダや2人の子供がいたり、「デズモンド・グループの総裁」という企業経営者という側面を持つキャラクターでもあります。

一方のヒトラーは最後の時を迎える少し前に結婚しましたが子供はいません。

第二次大戦後の1949年に成立した東ドイツの国家元首にモデルがいるのでは?とも考えましたが、調べてみたところ該当しそうな人物はいませんでしたね。

「東方外交」による東西の関係改善

原作3巻(12話)で、ブランツ外相は東国のウィンザー外相と国境正常化に向けた会談を行ってます。

このエピソードは、西ドイツのブラント氏が行った「東方外交」がモデルになったと考えられます。

上述した通り、ブラント氏は東ドイツとの関係改善に務めた事で知られる人物ですが、東ドイツ以外の東欧諸国との融和にも尽力しています。

中でも、ポーランドとの関係を改善したことは特筆すべき点とされています。

ポーランドは第二次世界大戦時、ナチス・ドイツによる侵攻を受けており、この地で多くのユダヤ人が殺された歴史的背景があります。
ユダヤ人の強制収容所が存在したアウシュヴィッツは、ポーランド南部に存在していました。

こうしたブラント氏の事績は、作中でロイドが語った「子供が泣かない(=戦争が起こらない)世界」の実現において大きな役割を果たしたと言ってもいいと思います。

一方、西ドイツ内ではブラント氏の外交に対して批判的な人も少なくなかったのも事実です。
スパイファミリーの作中でも、東国の人々が西国との戦争を望んでいる描写が見られますね、

今後の展開によっては、東国と西国で戦争が勃発する展開もあるかもしれません。

なお、以下の記事では作中の出来事を年表を使ってまとめてみました。

※参照:スパイファミリーの出来事を年表で解説!時系列で話の流れまとめ!

スパイファミリーの舞台設定が1968年である根拠についても考察しています。

気になったら一度読んでみてください。

まとめ

スパイファミリー(SPY×FAMILY)のブランツ外相について、モデルと考えられる西ドイツのブラント氏や、作中の時代背景も含めご紹介しました。

ブランツ外相もブラント氏も、共に東側とも関係改善に向けて尽力した点が共通しています。

その一方、作中でも現実でも融和外交に批判的な国民は一定数おり、外交や平和実現は決して簡単ではない…と改めて実感しますね。

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