後宮の烏に登場する衛青(えいせい)。
皇帝・夏高峻(かこうしゅん)の側近く仕えるキャラクターです。
物語が進むと寿雪(じゅせつ)との関わりも増えていき、やがて衝撃な事実も明らかに…!
この記事では、後宮の烏の衛青について、寿雪との関係やモデルとなった人物がいたのかを考察してみました。
目次
衛青とは何者なのか:皇帝に忠実で実力もある宦官
衛青(えいせい)は物語の最初から登場するキャラクター。
霄(しょう)の国の皇帝・夏高峻の側近を務める忠実な宦官です。
アニメでは声優の八代拓さんが演じられています。
https://twitter.com/kokyu_anime/status/1565656028498186240
衛青は、夜明宮にいる寿雪(じゅせつ)に会いに行く高峻に付き従っている場面から登場。
PVでも最初から出てきますね。
衛青は内常侍(ないじょうじ)という役職に付いている、高峻の側近としてかなりの力を持っているキャラです。
衛青は温螢(おんけい)という宦官を子飼いの間諜(スパイ)として抱えているのですが、この温螢というキャラは後宮ある全ての宮殿に知り合いがいるという幅広いネットワークを持っていいます。
そんな温螢を召し抱えているということは、衛青は後宮に関する事情のほとんどを知っていると言ってもいいでしょう。
なお、衛青が付いている内常侍という役職は、中国の後漢王朝で存在した中常侍(ちゅうじょうじ)がモデルになっていると考えられます。
中常侍は宦官が任命された高位の役職で、三国志の最初に登場する宦官グループである十常侍(じゅうじょうじ)の面々は、皆この中常侍の経験者でもあります。
※参照:後宮の烏に登場する宦官(かんがん)とは?登場キャラクターもまとめてみた
後宮の烏見てます
即位間もない若き皇帝 夏高峻
内常持 衛青#後宮の烏 pic.twitter.com/g410JqVxol— darkness_fairy (@dark_fairy08) October 4, 2022
後宮で生きてるなら、衛青は絶対に敵は回したくないキャラですね…
衛青と寿雪の関係性
後宮の烏のメインキャラクターは寿雪と高峻ですが、衛青はこの2人の次に重要なキャラだとも言えます。
ここで気になるのは、衛青(えいせい)と寿雪(じゅせつ)の関係ですね。
原作ではこの2人の関係はかなり丁寧に描かれています。
最初は何かと合わない衛青と寿雪
物語の初期では、衛青は寿雪と高峻が近づくのを嫌がっている様子が度々描かれます。
衛青は寿雪を「トラブルメーカー」だと思っており、2人が話すのを嫌がっています。
衛青にとって高峻は絶対的な存在です。
彼に危険を及ぼす者は許せない…と思っている節があります。
一方の寿雪にとっても、衛青は苦手な存在。
口喧嘩をすると絶対に衛青が勝つそうです。
男性と女性が口喧嘩をする場合、一般的に女性が勝つパターンが多い気がします。
こうした点を踏まえると、衛青は喋りも非常に上手いのでしょうね。
しかし、寿雪と高峻が心を通わせるうちに、衛青は寿雪を「うらやましい」と思うようになります。
衛青にとって、高峻は主人。決して越えられない上下関係があります。
一方の寿雪は、高峻にとっては「友」にあたります。つまり対等な関係なのです。
※参照:後宮の烏の夏高峻(かこうしゅん)が皇帝になった背景は?母親毒殺の経緯や皇太后のモデルも考察
実は衛青と寿雪は異母兄妹だった!
物語が進むと(原作3巻)、衛青は寿雪が自分の異母兄妹であることに気付きます。
衛青と寿雪の父親は「つまらない男」だったそうです。
彼はあちこちで女性と関係を持って子供を産んではその女性を捨て、また別の女性と…といったことを繰り返していたようです。
最後は関係を持った女性に刺されたのですから、因果応報といった言葉が似合っている気がしますね。
衛青の母親は妓女(ぎじょ)でした。原作には衛青が遊郭で産まれた事も記されています。
彼女は非常に美しく、その面影は衛青にも引き継がれているようです。
一時は衛青の父に身請けされる話もあったようですが、最終的には裏切られ自殺に追い込まれました。
その後、衛青の父は寿雪の母である鶲玉(こうぎょく)という妓女と男女の仲になり、やがて寿雪が産まれます。
鶲玉は前の王朝である欒(らん)王朝の血を引く女性でした。
しかし当時は妓女として働いており、皇族としては認められていなかったようです。
寿雪が産まれて4年後、鶲玉は欒王朝の末裔を皆殺しにしようとする現王朝の兵士によって殺されてしまいます。
ただ、この時寿雪は母に逃されており無事でした。
共に過酷な幼少期を過ごした衛青と寿雪
衛青と寿雪は、父親が同じだけでなく妓女の母親が亡くなっているという共通点があります。
過酷な幼少期を過ごした点も同じですね。
遊里で産まれた衛青ですが、生まれ故郷では多くの屈辱を味わい、ここから逃れるために宦官となり後宮で働くことに。
宦官とは去勢(性器を切断)された男性のこと。宦官に志願するほど、衛青の環境は悲惨だったのでしょう。
しかし宦官の世界も、衛青にとっては屈辱が多かったようです。作品では宦官としての指導役にあたる人物から見放された描写が暗に描かれてますね。
そんな衛青を救ったのが皇帝である高峻でした。
衛青が高峻に絶対的な忠誠を誓うのは、こうした背景があったのです。
一方の寿雪も、命こそ助かったものの下女として売られてしまい、その後2年間過酷な労働に従事します。
4~6歳で働かざるを得ないほど、寿雪も衛青と同様過酷な幼少期を過ごしたと言えるでしょう。
6歳になった寿雪は烏妃(うひ)に選ばれます。
夜明宮に入り、先代烏妃である麗娘(れいじょう)から読み書きや烏妃としての術を学ぶ日々が続きました。
似たような経験を持つ2人を、同じく母親を殺された経験を持つ皇帝・夏高峻は「どこか似た雰囲気がある」と感じます。
「衛青と寿雪がもう少し仲良くなれば…」と願う高峻の心理描写も、この作品の魅力だと見ていて感じますね。
衛青のモデル:前漢の将軍「衛青」について解説
そんな衛青ですが、モデルとなった人物はいるのでしょうか?
実は中国の歴史には、同姓同名の「衛青(えいせい)」という有名な武将がいます。
「衛青」は前漢(紀元前206年 – 8年)の時代に活躍した人物です。
主に中国の北方で力を持っていた異民族・匈奴(きょうど)との戦いに勝利した事で知られています。
こうした功績もあり、後に軍事部門のトップである大将軍にまで登りつめています。
この時、他の武将たちが匈奴に敗北する中、「衛青」は戦いにおいて勝ち続けました。
その背景にあるのが、「衛青」の出身地です。
「衛青」が産まれたのは中国の北方で、匈奴の人々の暮らしや文化にも詳しかったそうです。
一方で「衛青」の幼少期は苦労の連続でした。
「衛青」の母親は奴隷だったらしく、鞭で打たれる事も珍しくなかったそうです。
また父親から虐待を受けていたとも言われています。
こうした過酷な幼少期を過ごした点は、後宮の烏の衛青に通じる所がある気がします。
その後、「衛青」は軍隊に入り活躍するのですが、そのきっかけを作ったのが彼の姉・衛子夫(えいしふ)の存在でした。
ドラマの主人公になる程有名な人物です。
#衛子夫 完走
賢后と言われただけに慈悲深く賢い衛子夫✨成上りの人生にお決まりの後宮🙊ただ武帝も儒教を採用したり政策もしてた人物なので色恋意外にもフォーカスしてくれると勉強になったなぁ🙂ドラマは良い所で終わるのでハッピーエンド✨史実の最後は悲しいけど🥲 pic.twitter.com/t3038OWbUH— 片栗粉🦥低浮上中ミアネ (@katakuriko_rrr) April 4, 2021
衛子夫は当時の皇帝の后になり、その縁で衛青も引き立てられた経緯があります。
後宮の烏では、衛青は寿雪(じゅせつ)と父親が異なる兄弟という設定になっています。
この設定のモデルになったのが、「衛青」と衛子夫の関係ではないか?
私は中国史が好きなので、ついこんな考察をしてしまいますね。
まとめ
後宮の烏のキャラクター・衛青(えいせい)について解説しました。
まとめると、以下のようになります。
・衛青は夏高峻に絶対的な忠誠を誓う宦官。
・温螢というスパイを召し抱えるなど、力は強いと思われる。
・寿雪と高峻が会うのをあまり良く思っていない。
・衛青と寿雪(じゅせつ)は異母兄妹。母親が妓女なのも同じ。
・中国史には同姓同名の「衛青」という将軍がいる。
衛青は寿雪、高峻の次にクレジットされてるキャラクターなので、登場する場面も多そうです。
アニメではどのように描かれるかも気になりますね!
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