後宮の烏の舞台・霄(しょう)の国のモデルは中国の唐王朝?時代背景や歴史を解説

後宮の烏の舞台となるのは、霄(しょう)という架空の国です。

一体どのような国なのでしょうか?

また、後宮の烏は中国をモデルにした作品ですが、モデルになった時代や王朝はあるのでしょうか。

中国の歴史を調べてみると、唐(とう)王朝に似てる所もある気がしますが…

後宮の烏の舞台・霄(しょう)の国について考察していきます。

霄(しょう)の国について解説

皇帝・夏高峻や歴代王朝について

霄(しょう)は皇帝が治める国で、現在は夏高峻(かこうしゅん)が皇帝となっています。

夏高峻は今の夏王朝の3代目の皇帝。初代皇帝「炎帝」の孫という設定です。

今の王朝が成立する前は欒(らん)王朝が、その前には杼(ひ)王朝という王朝が存在していた事も明らかになってますね。

ちなみに物語の主人公・寿雪(じゅせつ)は欒王朝と杼王朝の血を引いています。

しかし、高峻の祖父・炎帝が皇帝になった際、欒王朝の血を引く人々の多くが炎帝によって殺されています。

高峻が皇帝になった際、法律が改められ、欒王朝の血を引く人々が殺される事はなくなりました。

しかし、こうした背景があったため、欒王朝の血縁者は警戒されています。

こうした背景の中で、寿雪と高峻が出会い、物語が進んでいく事となります。

※参照:後宮の烏の夏高峻が皇帝になった背景は?母親毒殺の背景や皇太后のモデルも考察

霄の国の地図はどうなっている?

後宮の烏の原作3巻では、霄(しょう)の国の地図が記されています。

霄の国は地図の中心にあり、周りを海で囲まれています。
よく見ると、今の中国に形が少し似ているような。

霄の右側には阿開(あけ)という島があります。
こちらの形は日本にちょっと似ている気がします。

南部と北西にはいくつか小さな島があります。

特に南東にある界島は台湾に似てる気もしますが、ここには烏漣娘娘の半身が沈んでおり、烏妃の謎を解く上での鍵となる地名だと言えます。

※参照:【後宮の烏】烏妃(うひ)とは?実在したのかや元ネタも考察

海を隔てて北東には「卡卡密(かかみ)」、北西には「慈目哈(つむは)」という国らしき島があります。

伊喀菲(いかひ)」という島もかつて存在したようですが、今は海中に沈んでしまったようです。

また、南側には「花勒」「花陀」「雨果」「沙文」という地名の存在も。

霄の国内に目を向けてみると、中央部にはいくつかの山々が見られ、東西で地域が分かれています。
東は東領(とうりょう)と呼ばれ、京師(首都)はこちらにあります。

一方の西は西領(せいりょう)と呼ばれ、東に比べると貧しい地域。
子供を売る親も少なくなく、作中に登場する子供の宦官・衣斯哈(イシハ)もこうした背景で生まれ育ちました。

※参照:後宮の烏に登場する衣斯哈(いしは)はどんなキャラ?モデルになった同名の宦官がいる?

宮城や後宮にはどのような建物があるのか

原作3巻には、寿雪や高峻が暮らす宮城の地図も掲載されています。

宮城の中央右側には、高峻ら皇帝が暮らす凝光殿(ぎょうこうでん)があります。
ここには過去の王朝も含めた宝物や、国の表の様子を記した歴史書が設置されています。

また、高峻の寝室には皇太后に殺された母親の謝氏(しゃし)と、友人である丁藍(ていらん)の幽鬼(霊みたいなもの)がいます。

高峻が皇太后を殺した後、皇太后は高峻へ呪詛をかけていました。

しかし、この2人が皇太后の呪いから高峻を守っていたことが、幽鬼と話ができる能力を持つ寿雪によって明らかになっています。

凝光殿の左側には、本作の主な舞台となる後宮があります。

後宮の中央には、歴代の烏妃が住まう夜明宮(やめいきゅう)があります。

物語のはじめでは、夜明宮には寿雪とそのお世話をする老婆が居るだけという状態です。

後宮には他にも、「鷲鷲宮」「鵲巣宮」「泊鶴宮」「飛燕宮」という宮殿があります。

この作品では、後宮の妃嬪には
・鴦妃(おうひ)
・鵲妃(じゃくひ)
・鶴妃(かくひ)
・燕夫人(えんふじん)
といったランクが存在しており、それぞれの妃が名前が付く宮城で住んでいます。

※参照:後宮の烏の鴦妃(おうひ)鵲妃(じゃくひ)鶴妃(かくひ)燕夫人(えんふじん)とは?

凝光殿と後宮の南には、皇帝が政治を行う「朝堂」と、家臣たちの控室である「朝集殿」があります。

この朝堂と朝集殿は「後宮の烏」独自のものではなく、作品のモデルとなった中国の歴代王朝の影響を受けた日本の平城京や平安京にも存在しています。

奈良時代や平安時代、日本は中国から大きな影響を受けていました。

奈良や京都には、その名残となる建物が今でも多くの残されています。

後宮の烏のモデル!? 中国・唐王朝の時代背景を解説

「後宮の烏」の舞台となった霄(しょう)の国は、中国の王朝や後宮から多くの影響を受けています。

具体的にどの時代をモデルにしているのでしょうか?

作品を読んでいると、ところどころに「唐王朝」の影響を感じました。

唐は、618年から907年までの時代に中国に存在していた王朝です。

日本では主に奈良時代と平安時代にあたりますね。

では、「後宮の烏」のどの部分が唐王朝と似ているのでしょうか。

この点について考察していきます。

名門貴族と新興勢力の2派閥がある

後宮の烏が唐王朝と似ていると感じた最も大きな理由が、原作3巻に収録されている「亀の王」で説明された以下の部分です。

(後宮の烏の)宮中では、名門貴族と新興官僚の2つの派閥が存在する。
もとは貴族が力を持っていたが、試験によって官僚を採用するようになった。
高峻は意図的にこうした新興勢力(作中では「寒家」と呼ばれる)を優遇している。
皇帝の一存で新しい官職を作れる。こうした官職を「令外(りょうげ)の官」という。

こうした作品の舞台設定は、中国の歴史にも共通する点が見られます。

中国では、三国志の時代(220年頃)から唐王朝にかけて、名門の貴族が力を持っていました。

一方、唐王朝の前の王朝である隋(ずい)王朝(581〜618年)になると、試験により優秀な人材を集める「科挙」がスタートします。

隋の次の唐王朝では、名門貴族と科挙で採用された官僚の派閥が激化した時代でもありました。

また、唐王朝の3代目皇帝の皇后である則天武后(そくてんぶこう)は貴族からの支持を集められなかった経緯もあり、科挙の合格者を優遇したことが知られています。

この点は、作中の高峻の政治方針と一致してますね。

中書省・門下省・尚書省が地図上に存在する

上で解説した宮城の地図をよく見ると、「中書省(ちゅうしょしょう)」「門下省(もんかしょう)」「尚書省(しょうしょしょう)」という名前が載っています。

この3つは中国の歴代王朝で設置された役職なのですが、特に唐の時代に大きな影響力を持った事が知られています。

以下はそれぞれの役職の役割です。

中書省:皇帝と共に法律の文書を作る。
門下省:中書省から出された法律を審議する。
尚書省:門下省から承認された法律を実行する。

現代の日本の国会や内閣と近い役職だと言えますね。

「後宮の烏」の作中では、これらの役職が物語の大筋に影響を及ぶす事はありません。

しかし、理由もなく作中の地図にこれらの名前が掲載される事はないでしょう。

作品の白川紺子さんが作品の舞台を設定する際、唐王朝のこれらの役職が目に留まったのかもしれないですね。

令外の官として「節度使」が登場する

また、原作5巻に収録された「黒い塩」には、「節度使」という言葉が登場します。

作中では「陛下(高峻)の一存で任命できる地方行政官のような役職」と説明されてますね。

節度使は唐王朝の時代から登場する役職で、作中にも登場する「令外(りょうげ)の官」にあたります。

節度使は令外の官の代表的なもので、主に国境付近に設置され、統括する地域の軍事や政治、財政を管轄できた役職でした。

755年に発生した「安史の乱(あんしのらん)」では、安禄山(あんろくざん)という節度使が反乱を起こし、唐王朝が衰える大きなきっかけとなりました。

その後、節度使は半ば独立勢力となり、唐が滅亡した大きな要因となりました。

皇帝に「大家(ダーチャ)」と呼びかける宦官の存在

後宮の烏の以下のPVの0:14では、夜明宮の寿雪を訪ねる高峻が宦官の衛青(えいせい)に「ダーチャ」と呼ばれるシーンが登場します。

「ダーチャ」とは漢字では「大家」と書きます。

日本語では「皆さん」「権威」と訳されますね。
また、宦官が皇帝を「ダーチャ」と呼ぶと、「旦那様」という意味にもなります。

皇帝を「大家」と読んだ唐の宦官で有名な人物としては、玄宗(げんそう)皇帝に仕えた宦官・高力士(こうりきし)が有名です。

宦官とは去勢(性器を切断)された男性のことで、中国の歴史には皇帝の側に仕える宦官が多く登場します。

中には皇帝を廃嫡するだけの力を持つ宦官もいたのですが、玄宗皇帝に仕えた高力士という宦官は、主人に非常に忠実であったと伝わっています。

「後宮の烏」にも宦官が沢山登場します。

(男性キャラの多くが宦官なのも、中国の後宮モノならではの設定でしょうか…)

中でも衛青は高峻の腹心で、非常に信頼されている事がわかります。

この皇帝と宦官の絆を見ていると、唐王朝の玄宗皇帝と高力士の関係がモデルになっているのでは?とふと思ってしまいました。

まとめ

後宮の烏の舞台である霄(しょう)の国について考察してみました。

まとめると、以下のようになります。

霄の国にはいくつかの王朝があり、現在は夏高峻が皇帝を務める。
これまで存在した、欒王朝や杼王朝の血を引く人々の多くが殺されている。
霄の国の形は中国に似ている。都は東領にある。西領は貧しい模様。
宮城には高峻が暮らす凝光殿がある。主な舞台となる後宮にはいくつかの建物がある。
「後宮の烏」のモデルとなった時代は、唐王朝の可能性がある。

霄の国について理解することで、「後宮の烏」の話の流れがより掴みやすくなりそうですね!

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