地獄楽の作中には「房中術(ぼうちゅうじゅつ)」という性行為に関する言葉が登場します。
エロい印象を受けますが、極めると不老不死になれるだとか。
一体どのような術なのでしょうか?
今回は、地獄楽に登場する房中術をわかりやすく解説していきます。
同時に天仙や亜左弔兵衛(あざちょうべえ)が房中術を行った理由にも触れてみました。
目次
房中術をわかりやすく解説。本来の姿や書物「素女経」とは
まずは房中術がどのようなものか、その本来の姿も含めわかりやすくご紹介します。
中国発祥の男女間の営みを通した健康法
房中術(ぼうちゅうじゅつ)とは中国から古代で行われてた健康法のようなもので、要は男女が性行為で心と体を重ねて気を高め合うテクニックのことです。
「セックステクニック」の側面もあり、日本における「四十八手」のモデルは房中術だと言われています。
仙道や道教は房中術もある
房中術(ぼうちゅうじゅつ)とは、中国古来の養生術の一種。房事すなわち性生活における技法で、男女和合の道である。 pic.twitter.com/ymgT45W1rL
— むげん倶楽部ミツレパ (@hijkari7575) December 5, 2022
ただ、厳密には「健康法」と言った方が適切で、昔の中国では房中術を極めることで、不老不死になれると言われていた時代もありました。
房中術の世界では、男性は陽、女性は陰とされており、両者が調和することで健康や長寿が実現できるとされています。
ただ、男性は絶頂してはいけないとされてるのもポイント。
これは男性が性液を出すとエネルギーが減り、結果として健康や長寿から遠のくという考え方に基づきます。
一方で女性はイッても問題ないのだとか。
また、房中術は子作りの方法ではありません。
男女の交わりを通して健康や長寿になり、人生を充実させる方法と言うべきでしょうね。
房中術の本来の姿:身体を使わず心で触れ合う
房中術にいかがわしい印象を持たれてる方もいると思います。
実際、中国でも宋代(960-1279)には儒教道徳がやかましく説かれるようになり、房中術も忌避すべき対象となりました。
これによって多数の房中術に関する書物が散逸したと言われており、勿体ない…と感じざるを得ませんね。
ただ、こうした側面は房中術の本来の姿ではありません。
房中術は本来、性に倒錯することを良しとしていません。
あくまで「適度に性行為を楽しみましょうね」というスタンスです。
現在でも、過度な性行為は寿命を縮める一員となりますし、「腹上死」という性行為中に突然亡くなる状態もあります。
房中術にはこうしたリスク予防の観点も含まれてたのでしょうね。
房中術としての話素晴らしくないか??昔の人すごい。健康法のひとつだよこれ pic.twitter.com/b3WRwV3R1R
— 汐見 (@aimai403) November 29, 2020
また房中術にも究極の姿、というものがあるのですが、それは身体を一切使わず、心だけで触れ合うというもの。
互いに向き合うだけでエネルギーを送り合う関係を理想としたのです。
「セックスの回数は減ったけど、それでも仲良し夫婦」あたりが、房中術の目指す姿だと言えそうですね。
素女経:房中術を記した世界三大性典の1つ
房中術にはいくつかの書物があるのですが、このうち有名なのは古代中国の漢王朝(BC206-AD220)に書かれた「素女経(そじょきょう)」という書物です。
この書物は古代インドで書かれた「カーマ・スートラ」、15世紀にイスラム圏で書かれた「匂える園(におえるその)」と並ぶ「世界三大性典」の1つに数えられています。
ただ原本が存在するかは諸説あり、隋王朝(581-618)の歴史を記した『隋書』には、「素女方」や「素女秘道経」という書物名が見られるものの、これらは時を経るにつれ散逸してしまいました。
素女経入門より。中国に古くから伝わる性技モノだけど、この丁寧な答え方に吹くww pic.twitter.com/Avw3OH8HCG
— tee (@hs_wonder) December 31, 2018
その一方、891年の日本で刊行された「日本国見在書目録(にほんこくげんざいしょもくろく)」という、中国の書物の情報について記した資料には「素女経」の名称が登場します。
こうした背景から、「素女経」は実は中国ではなく日本で刊行された書物じゃないかとも言われてますね。
素女経の内容としては、「黄帝」という伝説上の皇帝と、「素女」という女性仙人が、性生活やテクニックについて会話する様子が描かれています。
素女とう女性は黄帝に仕えた侍女だとも言われており、音楽や房中術に詳しかったようですね。
筆おろし等してたんじゃないか…と思いたくなりますが、果たしてどうなのやら。
昔の中国の人も、エロいこと色々考えて楽しんでたのかもしれませんね。
※参照:地獄楽に恋愛要素はある?画眉丸と佐切は最後付き合うのか?
地獄楽における房中術についてわかりやすく解説
房中術についてわかりやすく触れたところで、ここからは地獄楽に登場する房中術について見ていきましょう。
作中に登場する天仙や亜左弔兵衛(あざちょうべえ)が房中術を行ってた理由も交えご紹介します。
不老不死を目指す天仙が行ってる最も重要な修行
地獄楽では敵側で登場する7名の天仙。
彼らは不老長寿の実現に重要なタオを高めるため、それぞれが得意とする修行を日々行っています。
その修行法は以下の5つですが
・導引(どういん)
・胎息(たいそく)
・守一(しゅいつ)
・周天(しゅうてん)
・房中術
※参照:地獄楽の世界観や元ネタが難しい?モデルやタイトルの意味について
このうち房中術は最も重要とされています。
天仙の中で房中術を主に行ってるのが菊花(ジュファ)と桃花(タオファ)の2人。
「房中宮」という箇所で性行為を行いつつ修行してるようですね。
地獄楽の天仙様、初登場時に裸で房中術してるのに全くエロではないのが凄い もはや芸術です これは pic.twitter.com/QSYqFYn1iq
— ナソハ (@yayomoya4) May 29, 2022
どれほどエロいことをしてるかは気になりますが・・・ジャンプ掲載作品からか、直接的な描写はありません。
所々にはエロい場面も描かれてますけどね。
※参照:地獄楽のエロいキャラや場面まとめ!裸シーンの意図は心理描写?
また、ジュファとタオファ以外の天仙も、多かれ少なかれ房中術を行ってると考えられます。
地獄楽に登場する天仙は雌雄同体の存在。
自分の意思で、性別を雄にも雌にも出来るのですが、この特性を利用して房中術を度々行ってると語られています。
こうした営みを通して不老長寿を得ようとしてる訳ですが、中には房中術にいいイメージを持ってない天仙もいるようで…
※参照:地獄楽の島(こたく)や住んでる化物について。蓬莱や徐福もネタバレ
房中術に良くないイメージを持ってる天仙も
房中術に良いイメージを持ってない天仙としてまず挙げられるのが桂花(グイファ)。
桂花(グイファ)は房中術を「くだらない」と述べています。
なぜ桂花(グイファ)が房中術を嫌ってるかは明かされてませんが、桂花(グイファ)は他の天仙と異なり、物静かで争いを嫌う性格。
他人とのコミュニケーション、関わりに意義を見いだせていないのかもしれません。
作業にかまけていたらすっかり1月が終わってしまいました…。取り掛かってきた作業の発表時期はまだ先です。少し歯がゆい思いです。
ですが来月は舞台、その4月からはアニメが始まるので今はそれがとにかく楽しみです。(…久々にツイートしたら小学生の作文みたいになってしまいました) pic.twitter.com/liQPATRFbT— 賀来ゆうじ (@ug_kaku) January 31, 2023
また、実は天仙の1人でもあるメイにも房中術絡みの話があります。
メイは徐福によって早い段階で生み出された天仙ですが、性別が陰しかない「失敗作」と言える存在でした。
また、蓮(リエン)が行ってる研究に反対するなど、蓮(リエン)や他の天仙からは何かと煙たい存在だったのでしょう。
更に、メイは天仙の弟子である道士の房中術相手にされてしまいます。
これを嫌がったメイは天仙がいる蓬莱から逃げ出し、木人(ほうこ)に保護される事となるのでした。
※参照:地獄楽の花や虫について解説。樹化や木人(ほうこ)とは何者?
亜左弔兵衛(あざちょうべえ)が房中術を行った理由:タオの強化
一方、作中で登場する人間の中にも房中術をしていたキャラがいます。
それは亜左弔兵衛(あざちょうべえ)で、相手は蓮(リエン)でした。
弔兵衛は画眉丸との戦いの果てに谷底に落ち、花化も進んでしまいますが、この状態で蓮(リエン)と戦うことに。
花化が進むにも関わらず自我を保っている弔兵衛に、蓮(リエン)は人の域を超えていると興味を抱きます。
そして、弔兵衛を気絶させ自分の研究室へと連れ込んだ蓮(リエン)は、弔兵衛のタオを確認すべく、房中術を試みるのでした。
https://twitter.com/oioitan1207/status/1248662384081637377
弔兵衛は弟の桐馬を思い浮かべながら蓮(リエン)の申し出を承諾。
蓮(リエン)との房中術より自身のタオを開花させ、より一層の強さを手にしようとしたのでした。
結果として弔兵衛はタオの強化に成功。
その後、天仙の弟子である道士たちが蓬莱へ入る際に行う「成仙の儀」も経験し、金のタオを使えるに至っています。
※参照:地獄楽のキャラクターを一覧でまとめ!登場人物の年齢や身長誕生日も解説
まとめ
地獄楽に登場する房中術(ぼうちゅうじゅつ)について、天仙や亜左弔兵衛が行った理由も含めわかりやすく解説しました。
まとめると、以下のようになります。
・房中術とは古代中国を発祥とする男女間の営みを通した健康法。
・子作りの方法ではなく、究極の形としては身体ではなく精神面だけで触れ合ってもいい。
・房中術について記された素女経という書物は、世界三大性典の1つで、日本にも伝来してる。
・地獄楽の世界では、不老不死を目指す天仙が修行の一環として房中術を行っている。
・グイファやメイのように房中術を嫌う天仙や、亜左弔兵衛のように人間キャラが行うケースも。
房中術、エロ要素が入ったネタではありますが、実際のところは健康や長寿、男女の調和などを説いた素晴らしい思想だと感じます。
かと言って、嫌がるメイに無理矢理性行為をさせるのはちょっと違うなーともおもいますけどね笑
アニメで人気の地獄楽ですが、原作漫画は13巻で完結しています!
アニメでは描ききれない、天仙や石隠れ衆との戦い、追加組として登場する殊現や十禾の活躍など、ファンであれば押さえておきたい場面がたくさん描かれています!
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